2025.10.22
今回は、山で掘り出した杉の根っこの部分(根元材)を製材してみました。
普段はあまり見ることのない根の部分ですが、そこには幹とはまったく違う表情が隠れています。

1️⃣ 掘り出した根っこ
土の中に長く埋まっていた杉の根は、湿気と時間によって独特の風合いをまとっていました。
外皮は黒く、ところどころに苔や土がついたまま。
切り口からは、わずかに赤みが差したような色がのぞきます。
📷(根っこの写真)

2️⃣ 製材してみると…
チェーンソーで根元を切っていくと、中から深い赤褐色の木目が現れました。
幹の部分よりも濃く、まるで炎が燃えるような模様です。
土に触れていた時間の長さが、この独特の色合いを生んでいるのかもしれません。
📷(製材後の写真)

3️⃣ 表面を削ってみたら
削るごとに現れる木目は力強く、同じ杉でも根っこならではの密度と艶があります。
繊維が入り組み、方向も不規則。
これが根が地中で張り巡らせていた証です。
📷(削りかけの写真)

🌳 杉(スギ)の基本情報
- 科属:ヒノキ科スギ属
- 学名:Cryptomeria japonica
- 分布:日本全土(特に本州・四国・九州)
- 比重:約0.38〜0.45(軽くて扱いやすい)
- 木質:柔らかく、加工性が高い。香りがよく、防虫・防腐性にも優れる。
- 用途:建築材(柱・梁・板材)、桶、下駄、彫刻材など。
杉は日本を代表する樹木で、まっすぐ伸びる幹が特徴です。
しかし、今回のように根元部分を製材すると、まっすぐではなく複雑な表情を見せてくれます。
同じ杉でも、「地上」と「地中」でこれほど違うのかと驚かされます。
🌿 まとめ
普段は見えない“根の世界”にも、美しい模様が眠っていました。
まっすぐ伸びた幹も、地中で踏ん張っていた根も、どちらも杉の命の一部。
これからも、こうした見落とされがちな部分を掘り下げていきたいと思います。

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