シキミを製材して加工してみた


1. シキミの基本情報

  • 科名:マツブサ科(シキミ属)
  • 種別:常緑広葉樹
  • 分布:本州(関東以西)、四国、九州などに自生
  • 比重:およそ0.67

シキミは仏事で枝葉が供えられることで知られる木です。

ただし、葉・茎・根・花・果実・種子すべてに毒があり、とくに果実と種子は強い毒性を持つため、決して食べてはいけません。

材としてはやや硬めで、加工は少し大変ですが、削っていると香木のような独特の香りが漂います。市場にはほとんど出回らない珍しい木材です。


2. シキミの成長と利用

シキミは寺院や墓地などに植栽されることが多く、日常生活で目にする機会は少なくありません。

しかし材として利用されることはまれで、市場で見かけることはほとんどありません。

そのため、木工用材としては「身近にあるけれど珍しい」存在といえます。

またシキミはさかきとよく間違えられやすのですが、実際に葉っぱ比べてもなかなか違いがわかりません。一番わかりやすのが、シキミの葉はちぎって手でこすると香りがします。香りがあるのがシキミ、ないのがサカキとういのが一番分かりやすいです。

左 シキミ                     右 サカキ


3. 製材と加工の過程

今回使った材は、伐採後に入手したシキミの丸太です。

  • 切断:丸太を製材し、板材やブロック材に加工
  • 加工:形を切り出し、削り込み
  • 仕上げ:研磨後、オイルを塗布

加工中は強い香りがただよい、作業場が心地よい空気に包まれました。


4. シキミの特徴と感想

  • 加工性:やや硬めで抵抗感はあるが、刃物の切れ味が良ければスムーズに加工できる。
  • 木目:赤みを帯びた色合いで、仕上げると深みのある艶が出る。
  • 香り:削ると独特の芳香が漂う。香木に近い感覚。
  • 用途:小物、クラフト作品、オブジェなどに適している。

今回は「木のバナナ」を試作してみました。

削っていくときは硬さを感じましたが、オイルを塗ると赤みが際立ち、美しい仕上がりになりました。


5. 次のステップ

今後、このシキミ材を活かして:

  • 木工アート作品
  • 飾り棚やオブジェ
  • 香りを楽しむ小物

などに加工してみたいと思います。


まとめ

シキミは毒を持つため食用にはできませんが、材としては香り高く、赤みを帯びた美しい木です。

市場に出回ることは少ない珍材ですが、加工すると独特の魅力を感じられます。

「身近だけれど滅多に使われない木材」として、これからも作品作りに活かしていきたいと思います。

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