2025.10.20
サンゴジュ(珊瑚樹)は、学校や公園の生け垣、防風林としてよく植えられている木です。
夏には赤い実をつけて美しく、名前の由来もこの“珊瑚のような実”からきています。
今回はこのサンゴジュを実際に加工してみました。

1️⃣ 加工前の木材
こちらが今回使用したサンゴジュの角材です。
街路樹や庭木として剪定された枝を製材したもので、やや赤みのある淡褐色をしています。
木肌は緻密で、切るとほんのり甘い香りがします。
左が削ったばかり 右が時間経過した材

📷(加工前の木材の写真)
2️⃣ 木目を見る(小口面)
切断面を見ると、年輪は比較的細かく、散孔材のように導管が均一に分布しています。
中心部に向かうほどやや赤みを帯び、辺材は淡く、全体的に優しい印象。
光を当てると絹のようなツヤが出て、見た目以上に硬さも感じられます。
📷(断面アップの写真)

3️⃣ 製材してみる
サンゴジュをプレーナーで削ると、表面は滑らかでツルツルとした手触りになります。
思ったよりも加工性が良く、刃物の通りもスムーズ。
乾燥が進むと淡いピンクがかった色味になり、しっとりとした質感が出てきます。
📷(製材後の写真)塗装なしくだらないロボ

4️⃣ 作品にしてみた
今回はこのサンゴジュを使って、「くだらないロボ」を作ってみました。
やや硬めですが、削っていて気持ちよく、形が安定しています。
塗装をしなくても自然な光沢が出て、シンプルなデザインにも映える材です。
📷(完成作品の写真) 塗装ありくだらないロボ オイル塗装

5️⃣ 触って感じた印象
サンゴジュは、広葉樹の中でも粘りがあり、木口の欠けが少ない印象でした。
刃物を使うと軽い抵抗がありつつも、仕上がり面はとても滑らか。
独特の赤みとしっとりした肌触りがあり、細工物にも向いていそうです。

🌿 サンゴジュの基本情報
- 科属:レンプクソウ科ガマズミ属
- 分布:本州~九州の暖地
- 比重:およそ0.73(やや重め)
- 木質:緻密で粘りがある
- 用途:庭木・防風林・細工材・木工クラフトなど
🎥 加工の様子は動画でも紹介しています。
▶ サンゴジュを加工してみた

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