2025.10.21
桐(キリ)は日本で古くから家具や箪笥、琴などに使われてきた軽くて美しい木です。
火にも強く、湿気を吸いにくい性質を持つことから「女の子が生まれたら桐の木を植える」という風習もありました。
今日はその桐を使って、定番の「くだらないロボ」を作ってみました。



1️⃣ 加工前の板材
こちらが加工前の桐の板です。
非常に軽く、手に取った瞬間に“スカッ”とした軽やかさを感じます。
木肌は白っぽく、ほんのりと紫がかった灰色を帯びており、柔らかな印象。
板の断面を見ると、気泡のような導管が見られ、キリ特有の粗い肌理が感じられます。
📷(加工前の板材写真)


2️⃣ 加工してみる
桐はとても柔らかく、ノコギリやカンナがスーッと通ります。
木屑も軽く、まるでスポンジを削っているような感覚。
ただし柔らかい分、角が欠けやすいので、刃物の向きと力加減には注意が必要です。
3️⃣ 作品にしてみた
今回はこのキリの木で、シンプルな「くだらないロボ」を制作しました。
頭の両側に丸棒を通して、目の部分には濃い色の木を埋め込み。
キリの白いボディに対して、目と耳の部分のコントラストが映えます。

塗装を施すと、色がぐっと落ち着いてツヤが出ました。
柔らかい木肌の中に、光を吸い込むような奥行きが生まれています。
4️⃣ 触って感じた印象
キリは本当に軽く、まるで空気のような木です。
加工しやすく、やすり掛けもすぐに形が整うため、初心者でも扱いやすい材だと感じました。
ただし柔らかいので、爪で軽く押すだけでも跡がつきます。
表面を保護するなら、オイルフィニッシュやワックス仕上げが効果的です。
🌲 基本情報
- 科属:キリ科キリ属
- 分布:本州・四国・九州(各地に植栽)
- 比重:約0.19(非常に軽い)
- 木質:柔らかく軽い、導管が大きく粗い
- 用途:家具、箱、箪笥、下駄、楽器、木工クラフトなど
🎥 加工の様子は動画でも紹介しています。
▶ キリの木を加工してみた

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