ホオノキは、昔から刀の鞘(さや)やまな板などに使われてきた木です。
柔らかく加工しやすく、落ち着いた淡い色合いが特徴。
今回は実際に山で伐採されたホオノキを、丸太の状態から加工してみました。
1️⃣ 加工前の丸太
こちらが伐採直後のホオノキの丸太です。
表皮は灰褐色で、ところどころに苔が生えており、森の中で長く育ったことが伝わってきます。
断面は淡い灰色に近く、中心部がほんのりと緑がかったような独特の色をしています。
📷(丸太・断面写真)

- 分布:本州・四国・九州の山地
- 比重:約0.45〜0.55(やや軽め)
- 材色:淡い黄緑色
- 特徴:柔らかく加工しやすい・狂いが少ない
- 用途:まな板・刀の鞘・下駄・彫刻材など
2️⃣ 木目を見る 小口面
丸鋸で輪切りにしてみると、年輪がはっきりしていて柔らかな表情。
木目は細かく均一で、放射孔が目立たない散孔材に分類されます。
切削面には絹のようなツヤがあり、手触りもなめらかです。
📷(断面アップ写真)

3️⃣ 板に加工してみる
製材して板にすると、白っぽくやや黄色を帯びた明るい木肌になります。
乾燥が進むと淡いクリーム色から少し黄味がかった落ち着いた色合いに変化します。
こちらの材は材木屋から購入した物になります

4️⃣ 作品にしてみた
今回はホオノキを使って、いつもの「くだらないロボ」を作ってみました。
軽くて加工がしやすく、切削も気持ちいい。塗装をすると深みが出て、表情がガラッと変わります。
磨くとやわらかいツヤが出て、木の優しさを感じます。
📷(完成作品の写真)

5️⃣ 触って感じた印象
ホオノキは粘りが少なく、刃物の通りが非常に良い木です。
彫刻や器などの細工にも向いていて、初心者にも扱いやすい印象でした。
香りはほとんどありませんが、木肌に独特の温かみがあります。
この心材と辺材の違いが面白い材木です。

🎥 加工の様子は動画でも紹介しています。
▶ ホオノキを加工してみた

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