🌳 カシワの木を加工してみた

2025.11.5

今回は、日本の伝統文化とも深く関わりのある「カシワ(柏)」を伐って、削って、加工してみました。

神社のお供えや柏餅に使われる葉の木として知られていますが、木材として触れてみると、意外な一面をたくさんもっている木でした。

📷(カシワの木、葉、の写真)

🍃 カシワってどんな木?

項目 情報

科名 ブナ科(Fagaceae)

属名 コナラ属(Quercus)

学名 Quercus dentata Thunb.

分布 北海道〜九州、特に関東〜東北の平地に多い

樹形 落葉高木(15〜20m)

比重 約0.65〜0.75(やや重め・堅い)

材質 環孔材(年輪の道管がはっきりと出る)

カシワの葉は大きくて分厚く、枯れてもすぐに落ちずに枝先に残る性質があります。

「葉が落ちず次の葉が出るまで残る → 家系が絶えない」

という縁起から、柏餅・神事などに使われるようになったと言われています。

📷(葉裏の白っぽい写真・黒ずんだ表面)

🪵 材の特徴

カシワの木材をカットした断面を見てみると——

• 明瞭な年輪と大きめの道管(環孔材:ナラ・カシ系の特徴)

• 心材はやや黄褐色〜淡褐色

• 辺材は白っぽく、はっきりと色の差が出る

• 堅く粘りがあり、重量感もある

• 削ると「ナラ系特有の淡い酸味のある香り」がする

📷(木口断面アップ・導管の写真)

堅さはミズナラ・コナラより少し重く感じます。刃物の切れ味が悪いと逆目が出やすいので、しっかり研いだカンナやノミが必須。

🔧 実際に削ってみた

今回使った材は、伐ってから少し乾燥したカシワの角材。

• 硬めだけど、刃物を入れると素直に切れる

• 表面は少しザラつきがあり、オイルを吸いやすい

• 木口は導管が詰まっていて独特の模様になる

• 節があるところはかなり硬く、刃を持っていかれる感覚

📷(削った面・加工中の写真)

🤖 小さなロボットを作ってみた

カシワ材で、小さな木製ロボットのブロックを作ってみました。

クリみたいな少し茶色寄りの落ち着いた色味になります。オイルを塗ると、深いブラウンと導管の模様が際立ってとても良い表情に。

📷(ロボットの写真)

• 目の丸ダボ部分は濃色の材(:ウォールナット)

• 口のスリットから見える木口の模様がおもしろい

• カシワ特有の年輪と導管が「顔の表情」に見える

🌳 樹皮・葉・樹形も観察

部位 特徴

樹皮 深い縦割れ、厚く硬い。ナラよりゴツゴツした印象。

葉 大きくて丸っこい波形。裏は白っぽく、表は濃緑〜黒緑色。

樹形 若木の頃はまっすぐ伸びるが、成長するとコブやうねりが出やすい。

📷(樹皮アップ・立木の全体写真)

🌿 おわりに

カシワは「和の木・神事の木」というイメージが強いですが、

実際に削ってみると、堅さの中に素直さがあり、ナラともクリとも違う独特の質感がありました。

木材としての姿も、葉・樹皮・香りも含めて、

「削るだけで木の歴史と触れ合える」

そんな存在でした。

今後もこのカシワの材で、器やスプーン、ロボットシリーズなども増やしていきたいと思います。

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