カリンの木を加工してみた 〜カリンとパドックの違い〜

     

左がカリン                             右パドック

1. カリンの基本情報

  • 科名:マメ科
  • 種別:広葉樹 散孔材
  • 分布:インド 東南アジア
  • 比重:およそ0.67〜0.9

カリンは日本では果実が薬用や香りで知られる「カリン(バラ科)」と混同されがちですが、今回扱った木はまったく別物です。材としてのカリンは東南アジアやインド周辺に産し、赤みのある美しい木肌を持っています。木によって硬さに差があり、加工はやや大変ですが、仕上がりの色合いは非常に魅力的です。

かつてはカリンのコブ材もよく出回っていましたが、近年は希少となり、あってもかなり高価で手が出しにくい材になっています。


2. パドックとの違い

よく似た材に「パドック(Padauk)」があります。こちらはアフリカ産で、同じように鮮やかな赤色を持つため混同されやすい木です。

  • カリン:インド〜東南アジア原産。赤色はやや落ち着きがあり、経年で深みが増す。
  • パドック:アフリカ原産。赤みが鮮烈で、最初は鮮やかな朱色に近い。日光に当たるとやや褐色化する。

見た目が似ていても、産地や風合いには違いがあり、使うほどに色合いの変化を楽しめるのがどちらの木にも共通する魅力です。

塗装前のカリン    右が塗装なしのパドック

左オイル塗装後のカリン                    右パドック塗装なし

3. 加工してみて

今回カリンの端材を加工して小さなオブジェを作ってみました。木目に力強さがあり、磨くと独特の赤みが浮き出てきます。写真のように小さな面積でも存在感があり、作品に取り入れると独特のアクセントになります。

加工は硬さのムラがあって少し苦労しましたが、その分仕上げたときの美しさは格別でした。

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