🍃 ヌルデを製材してみた

2025.10.18

今回製材したのは、私の山で風によって倒れてしまったヌルデの木です。

特に思い入れのある木ではありませんでしたが、せっかくなので製材してみることにしました。

ヌルデはウルシ科の仲間で、ウルシやハゼに比べるとかぶれにくいと言われていますが、体質によってはかゆみが出ることもあります。

ウルシ科らしい黄色みを帯びた材が特徴で、やわらかく加工しやすい、扱いやすい木です。


🌳 ヌルデの基本情報

  • 科属:ウルシ科ヌルデ属
  • 分布:日本各地(本州・四国・九州)
  • 比重:0.45程度
  • 木質:やや柔らかく軽い、粘りがある
  • 加工性:非常に良好
  • 用途:器、彫刻、クラフト、試作材など

ヌルデは山や道ばたでもよく見かける身近な木ですが、材木として市場に出ることはほとんどありません。

実際に製材してみると、黄白色の中にほんのりピンクが混ざったような美しい木肌が現れ、

光の角度によって色味が変わるのが印象的でした。


🪵 製材のようす

倒木をバンドソーで割ってみると、中から優しい色合いの木目が姿を現しました。

やわらかい木ですが、刃の通りが軽く、繊維の粘りがあるためとても加工しやすいです。

香りは少し草っぽい印象で、どこか懐かしさを感じる匂いでした。

製材しているうちに、「普段見過ごしてしまう木にもこんな表情があるのか」と

新しい発見がありました。


🤖 ヌルデでつくった作品

試しに、小さな木のロボットを作ってみました。

焼きを入れると、黄色と焦げ茶のコントラストが際立ち、木目の優しい表情が引き立ちます。

やわらかい材なので削りやすく、角を丸く仕上げるのも簡単でした。

木工を始めたばかりの人にも扱いやすい木だと思います。


🍂 葉と実のようす

ヌルデの葉は羽のように小葉が並ぶ「羽状複葉」で、葉の裏は白っぽく、表はつやのある緑色をしています。

秋になると紅葉し、冬には小さな丸い実を枝先につけます。

この実には「五倍子(ごばいし)」という虫こぶができ、

昔は墨や染料の材料として利用されていました。

🌿 まとめ

ヌルデは目立たない雑木のひとつですが、製材してみるとやわらかな木目と温かみのある色合いが魅力的です。

かぶれに注意は必要ですが、加工のしやすさや手触りの良さから、クラフトや小物づくりに向いています。

今回あらためて、身近な木にもそれぞれ個性と美しさがあることを感じました。

いろんな木を試してみることで、新しい発見が生まれていく――

そんな楽しさをあらためて教えてくれた一本でした。

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