こんにちは!今回は、日本を代表する針葉樹「杉」を製材した体験をご紹介します。杉は柔らかく加工しやすい材質で、建築材から工芸品まで幅広く活用されてきました。さらに、杉には「黒杉」という珍しいタイプもあり、その特性や魅力についても触れていきます!
黒い杉
杉について
杉は北海道から屋久島まで広く分布する高木で、地域ごとに「秋田杉」や「北山杉」といったブランド名で親しまれています。木目が真っすぐで乾燥しやすく、加工性が高いのが特徴です。心材は赤褐色、辺材は白っぽい色味をしており、独特の香りも魅力のひとつです。
特に「黒杉」は、通常の赤心材とは異なる深い色合いを持つ杉材で、独特の存在感があります。今回は、この黒杉も含めて製材に挑戦しました。
黒杉について
黒杉は、心材が黒っぽい色味をしている杉のことを指します。黒心材は含水率が高く、乾燥に時間がかかるため一般的な市場評価は低めですが、その黒い色合いを好む方も多く、独特の風合いが魅力です。また、脂分を多く含むため水に強く、以下のような用途で重宝されています:
• 橋材やデッキ材
水や湿気に強い特性を活かした屋外用途。
• アクセント材
黒い色合いを活かしたデザイン性の高い家具や小物。
黒杉は強度において赤杉と差はありませんが、加工の際には含水率の高さに注意が必要です。
杉を製材する準備
製材に使用したのは、黒心材の杉、直径30cmほどの丸太です。それぞれの特徴を観察しながら製材を進めました。
①チェーンソーで荒切り
丸太の外皮部分をチェーンソーでざっくりと切り落とし、大まかな形を整えました。黒杉では、脂分が多い部分が切削時に少し粘る感触があり、赤杉とは異なる手応えがありました。
②製材機でカット
製材機を使い、板材に仕上げました。黒杉の板材は深い色合いが特徴で、カット面の美しさに驚きました。赤杉の柔らかい色味と対比的で、用途に応じて選びたくなる仕上がりです。
製材してみて感じたこと
杉は加工しやすい材質ですが、黒杉では脂分の多さから切削時に独特の粘りがあり、工具への負担が少し増える印象でした。原因は杉の根っこに近い部分で丸太を取ったため、かなり粘りが強く、何度も帯鋸の機械が止まりました。黒杉の香りは赤杉よりもかなり重みがあり、作業中にも杉の違いを感じられるのが面白かったです。
製材したばかりの黒杉
製材して1日後
製材した杉の活用予定
黒い色味を活かし、アクセントとなる小物やデザイン性の高い作品を作る予定。
黒杉の魅力と可能性
黒杉はその独特な色味から、「杉らしくない」と評価されることもありますが、デザイン性を重視する現代ではむしろその個性が強みになります。特にアクセント材やアート作品としての可能性は無限大です。製材してみて、黒杉の新たな魅力を再発見できました。
まとめ
杉の製材は、その材質の違いや香り、木目の美しさなどを直接感じられる貴重な体験です。特に、黒杉はその加工性や独特の個性から、今後の製品づくりに新しいアイデアをもたらしてくれそうです。
次回は、この杉材を使って具体的な作品を作る過程をお届けします。木材加工に興味のある方は、ぜひコメントや質問をお寄せください!
次回もお楽しみに!
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