くだらない道具屋

ただの木。

そのままだと、ほとんど誰にも見られない。

現場で出た端材や、
使われずに置かれている木。

高級な木も、すてられる木も、
ただの木。

でも、そのままだと
見てもらえない。

だから、少しだけ形を変える。

ほんの少しだけ。

すると、急に見られるようになる。

ただの木が、
なんか気になるものになる。

でも、すごいものを作っているわけじゃない。

価値を作っているんじゃなくて、
気づいてもらっているだけ。

見られていないものを見つけて、
ちょっとだけ手を加えて、
人の目に出す。

それが、くだらない道具屋。

くだらないものしかないけど、
ちゃんと見てもらえれば、
面白いものばかり。

木はぜんぶ同じ木。

わしは、それに気づいてもらうだけ。